【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


「確か、大学出て数年色々やってから開業したって聞いてるんで、確か三十二……だったかな。あれ、俺の五個上だから、今年三十三か?」


三十二か、三なんだ。少し歳上だ。

じゃあ、結構若くして自分の病院を持ったんだな……。


「じゃあ、室屋さんと私、同じ歳かもしれない。今年二十八ですか?」

「えっ、そうっす、二十八。マジか、タメか〜」


同級生だと告げられた室屋さんは声を弾ませる。

知り合った人が偶然同じ歳だと発覚すると、なんだか意味もなく親近感を抱いてしまう感じは、歳を重ねるごとに私も体験しているから共感できる。


「蓮さんは、獣医師を〝仕事〟って意識でしてるってのと違うんだよな……」

「え? それは、どういう……?」

「いや、ただ単純に動物が好きすぎて、仕事と思ってなさそうって意味ね。ほら、仕事って大変だったり、苦痛もあったりってもんじゃん? たぶん、全くそういうの感じてないんだろうな〜って見えて」


室屋さんの感じていることが本当なら、根っからの動物好き、ということだ。

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