【医者恋シリーズ2】 冷徹ドクターのイジワルな庇護愛


「え、そうなの?」

「毎回蓮さん指名してくるけどさ、今日みたいに爪切りとか、歯のクリーニングとか。俺に任せられる内容で来院するから、蓮さん全部俺にお任せだしね。関わりたくないんじゃん?」

「関わりたくない、か……」


そういえば今日も、患者さんが来ていますと知らせて出ていった先生は、すぐに戻ってきて引っ込んでしまった。

足早に去っていったし、今思い返せば、どこか機嫌も良くなかった気も……。


「まぁ、蓮さんが嫌いなタイプっぽいしな」

「え、そうなの? 綺麗な人だったけど」


それに、聞くところによるとお嬢様だ。

マイナスポイントは特に見当たらない。


「いや、あのペットをアクセサリー感覚で飼ってる感じとかね。俺には、うちに来るためのダシに使ってるようにしか見えないんだよなー。たぶん、蓮さんもそう思ってると思うよ」

「え……アクセサリーって……」

「金持ちだからかもしれないけど、連れて来る子もちょくちょく変わったりしてるしな……一体何匹飼ってんだって感じで」


海外セレブなんかが、ペットをファッションの一部として飼い、飽きたり、大きくなってしまったら手放すというのは聞いたことがある。

そんな話を耳にして、私も嫌悪感でいっぱいになった。

動物たちは人間の都合のいいオモチャじゃない。

だけど、子どもが親を選べないというのと同じに、動物たちも飼い主を選べないのだ。

思わぬ方向に話が広がり、気持ちがどんよりと重くなっていた。

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