俺らの本
マフラー?


「それは早すぎるだろ。」


さすがにマフラーまではないな。


そう言うと、そいつはそうだね、っと言って髪を触りながら笑った。


「…あ!!そうだ!名前を言ってなかった。アタシは月崎 夏波(つきざき なつは)。君は?」


そいつが勝手に自己紹介をしている間に、信号が青に変わった。


携帯電話をポケットの中に入れ、歩き出す。


「白末 大志。」


前を向いたまま、独り言のように呟いた。


「白末君…。これからよろしくね。」


「もう会うこともないだろうし、よろしくする気なねーよ。」


俺が冷たく言うと、なぜかそいつは笑い出した。


「は?」


「白末君は面白いね。あ!もうこんな時間だ!またね。」


そいつはそれだけを言うと、ものすごい速さで走り去っていった。


まるで嵐が過ぎ去ったかのような感覚。


朝から変に疲れた。


てか、何がまたね、なんだよ。


って、もう話すことねーんだから、考えるの止めよう。


頭を掻いて、いつもの朝を取り戻すように、歩き続けた。

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