カクテル紅茶館の事件簿録
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その日。
いつも快眠一筋の私はなかなか寝つくことができなかった。
『大丈夫』
そう言った時のヌイの口元が幾度もフラッシュバックした。
浮かんでは消え、消えては浮かび。
繰り返すごとにヌイの表情は黒くなって見えなくなっていく。
それでもあの口元はちっとも黒くはならなくて。
夜が深まって眠りに落ちるまで、何回も何回も現れて。
それはまるで助けを求めているみたいだった。