夜の庭園ー少女たちの消える庭ー
黄色いバラの垣根の迷路を心のままに右へ左へと曲がり、あっという間に自分がどこを歩いているのかわからなくなりました。
至る所に東屋があり、棘を持った蔓バラが柱や屋根に我が物顔で巻き付いていました。
開けた場所に出たと思うとそこは噴水の広場で、吹き上がる水しぶきは月明かりにきらめき、
水盤の水面にはエキゾチックな濃い色の花びらがたゆたっていました。
私はそのひとつひとつを、その場にいつまでもいたいような今すぐに逃げ出したいような複雑な気持ちを抱えて眺めてまわりました。
この場所は何なのでしょう。
完璧に美しく造られているようなのに、一瞬後には全てが崩れ出してしまうような重大な欠陥を持っているようにも見える。
人の手で管理維持されている人工の庭のはずなのに、人の意思の及ばない野放図な空間のようにも思える。
こんなにも甘美な魅力で私を惹き付けるのに、奥へ進めば進むほど、胸の中の不穏なざわめきが強くなる......。
もしかしたらここは、この世ではないのかもしれない。
そんな不安にかられながらも足を止められないままでいるうち、目の前に迷路の出口が現れました。
至る所に東屋があり、棘を持った蔓バラが柱や屋根に我が物顔で巻き付いていました。
開けた場所に出たと思うとそこは噴水の広場で、吹き上がる水しぶきは月明かりにきらめき、
水盤の水面にはエキゾチックな濃い色の花びらがたゆたっていました。
私はそのひとつひとつを、その場にいつまでもいたいような今すぐに逃げ出したいような複雑な気持ちを抱えて眺めてまわりました。
この場所は何なのでしょう。
完璧に美しく造られているようなのに、一瞬後には全てが崩れ出してしまうような重大な欠陥を持っているようにも見える。
人の手で管理維持されている人工の庭のはずなのに、人の意思の及ばない野放図な空間のようにも思える。
こんなにも甘美な魅力で私を惹き付けるのに、奥へ進めば進むほど、胸の中の不穏なざわめきが強くなる......。
もしかしたらここは、この世ではないのかもしれない。
そんな不安にかられながらも足を止められないままでいるうち、目の前に迷路の出口が現れました。