クールな国王陛下は若奥様にご執心
ネルの瞳が、リーレに向けられた。
彼女はもう一度、妹の華奢な身体を腕の中に閉じ込める。
「ロイドの祖国だからと、父上は戦争中にメーオ王国に対して支援をしてしまった。私達の国ができることなんて、ほんの僅かよ。でもそれを咎められて……」
「お姉さま」
たとえ僅かでも、支援は支援だ。メーオ王国が負けてしまった以上、追及は免れないだろう。だが、一番大切なものを取り上げると言った姉の言葉に不安を覚えた。
父は何を要求されたのだろうか。
もう涙で言葉を発することができない姉に、リーレは静かに尋ねる。
「カリレア国王は、何を要求したのですか?」
答えを聞くのが怖い。だが、知らずに過ごすわけにはいかない。
リーレの問いに、ネルは涙声で叫ぶように答えた。
「あなたよ。カリレア国王は、父上に第二王女リーレを差し出すように要求したのよ」
泣き叫ぶ姉を落ち着かせ、部屋に送り届けたあと、リーレは寝台の上に腰を下ろして静かに目を閉じた。
瞼の裏に、光を感じる。
もうすっかり夜が明けたようだ。
彼女はもう一度、妹の華奢な身体を腕の中に閉じ込める。
「ロイドの祖国だからと、父上は戦争中にメーオ王国に対して支援をしてしまった。私達の国ができることなんて、ほんの僅かよ。でもそれを咎められて……」
「お姉さま」
たとえ僅かでも、支援は支援だ。メーオ王国が負けてしまった以上、追及は免れないだろう。だが、一番大切なものを取り上げると言った姉の言葉に不安を覚えた。
父は何を要求されたのだろうか。
もう涙で言葉を発することができない姉に、リーレは静かに尋ねる。
「カリレア国王は、何を要求したのですか?」
答えを聞くのが怖い。だが、知らずに過ごすわけにはいかない。
リーレの問いに、ネルは涙声で叫ぶように答えた。
「あなたよ。カリレア国王は、父上に第二王女リーレを差し出すように要求したのよ」
泣き叫ぶ姉を落ち着かせ、部屋に送り届けたあと、リーレは寝台の上に腰を下ろして静かに目を閉じた。
瞼の裏に、光を感じる。
もうすっかり夜が明けたようだ。