なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
片付けと、各々着替えを終えると疲れてたはずのみんなは気持ちが切り替わったのか楽しそうに後夜祭会場の校庭へと向かって行った。
私と春子も着替えたが、まだちょっと動くだけの気分が戻らなかった。
すっかりいつもの状態に戻った教室で人が増えてく校庭を眺めた。
「終わったね……」
「そうね、なんとか回って終わってホッとしたわね」
そんな春子の言葉にうなずく。
「咲は、後夜祭誘われたんじゃないの?」
「誘われてたけど、答えないまま始まっちゃったわ」
そんな私に、春子は言う。
「今頃会場で誰かさん達は探してるんじゃない?」
「たぶんね……」
「行かないの?」
それに私は答えられないまま。
だって、どっちかなんて選べない。
どっちかを選べるほど好きって気持ちがあるわけじゃないし。
嫌いでも無い……。
なんで中途半端なんだろう。
私は自分のハッキリしなさ加減にもげんなりしていた。
「自分の気持ちなのに。自分が分からないってホント謎だよね……」
苦笑する私に春子は、ふぅとひと息吐くと言った。
「咲が向き合ってないだけなんじゃ無い?自分の気持ちにそろそろ素直になったら?」
そんな言葉に、私は首を傾げてしまう。
自分の気持ちに素直にってどういうこと?