なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!

すると、そんな奥にいた私たちのテーブルに数人の女子がやってきた。

顔をあげれば、そこに居たのは春先まで悠くんの周りにいた取り巻き女子達だ。

「谷村くん。山野さんとお付き合い始めたって噂になってるけど、ホント?」

おう、目の前に私がいてのこの質問。
強気だねぇ……。
まぁ、先頭に立って聞いてきた子は悠くんにかなり本気と言われてた女子だから。
確認したい気持ちは分からなくもない。

そんなちょっと表情険し目な彼女たちに、悠くんは実にいい笑顔で言った。

「うん。やっといい返事が貰えたんだよね。だからさ、邪魔しないでくれないかな?俺、はっきり君のことは好きじゃないって言ったよね?」

おぅ、悠くん。すっごいパンチ入れたね……。
彼女、周りの子にも振られたことは黙ってたんだろうね……。
真っ赤な顔をして、言った。

「そうね、でもみんな聞きたかったみたいだから私が聞いてやったのよ!」

うん、なんて逃げなんだ……。

呆れたようなため息をついて、悠くんは彼女にキッパリ言ってしまった。

「本当は俺に言うより彼女にイチャモン付けたかったんでしょ?だって君は顔と家の魅力だけよってきたお嬢様だもんね?」

ひぃぃ。
悠くんの周りが一気に冷えました。
私も冷えてきました……。

穏やかワンコと思うなかれ。
怒れば、狼なんだね……。
この日、私は悠くんは絶対怒らせないと固く誓った。
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