なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!

里田くんと谷村くんのことはさらに知らなかった……。

「全然知らなかった……」

私がビックリしつつ呟けば、春子はうなずいて返す。

「まぁ、咲はそういうことに興味ないもんね。そこが咲の良いところだよ。バックボーンや家のことを知っても態度が変わらない人って貴重なんだよ」

そう言って春子は微笑む。
春子も実はそこそこお嬢様。
春子の家は古くから続く日舞の家元の家系。
跡取りはお兄さんだけど、春子も名取であり最近はお教室で教えていると聞く。

私の周り、そう考えるとすごい人ばっかりだわ。

そのことに気づくと同時に、運動会会場での救護テントでの出来事を思い出し納得した。

「そっか、会長と綾小路先輩は運動会での事件でその後のエスカレートを懸念して私と仲が良いとこを見せて周りを牽制したんだね……」

私が理解したのをみて、春子は言った。

「それもこれも、咲の人となりがもたらした結果だから気にしなくて良いの。綾小路先輩も咲の友人として力になってくれたのよ」

その言葉に、私はうなずいて、そして考える。
このお礼はきっと今後進展を報告することだろう……。
恥ずかしいが、得ているものが大きいのと先輩は楽しむだけでなく相談にも乗ると言ってくれていた。
今後なにかあったら頼らせてもらおうと思った。

そして、友達思いで彼女想いの会長にも口にはしない物の感謝していた。
< 53 / 163 >

この作品をシェア

pagetop