なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!
三人で次々にあがる花火を見上げる。
周りでは、上がる度に声があがり楽しんでいる空気が会場を包んでいた。
「あぁ、綺麗だな……」
「うん。綺麗だね」
そうして盛大に打ち上がる花火を終わりまで見続けた。
最後の頃にまた、残りの屋台グルメをふたりは食べてゴミをまとめて終わると同時に席を立った。
「こんなにゆっくりと近くで花火を見れたのは初めてだよ。今日誘ってくれてありがとう」
心からの感謝を込めて伝えると、ふたりは私を見て微笑んだ。
「どういたしまして」
重なったふたりの返事にクスッと笑う。
「今度は、ふたりで見たい」
「それは、俺もそうだな」
ふたりの顔がキュッと真剣味を帯びたものに変わる。
私もその表情を見て緊張して足を止めた。
「ここまでは、山野のことを考えてふたりで行動した。でもこれからは俺達はライバルだから。三人でってのは無いと思う」
「そう、僕らは咲ちゃんの一番になりたいんだ。咲ちゃんの特別にね。だから今後は変な遠慮はしないから」
明確に意思を示すふたりに、私はうなずいて答えた。
「分かった。ちゃんと考えて答えるから……」
こうして私たちの関係に、変化をもたらした夏が終わっていく。