欲しいのは、たったひとり。
中等部3年生になり、私はこのまま高等部に進むと思っていたんだけど。


『七乃、この高校どう思う?』

『ん?』


ある日、お母さんに勧められた高校。

そこは、私立春ケ丘学園という学園だった。

幼稚舎から大学まである、エスカレーター式の学園。 通称春学。


『ここ?』

『うんっ!この学園にね、野桜さんの息子さんがいるんだって!』


お母さんが興奮気味に教えてくれたのを思い出す。


野桜さんの息子さんがいると聞いて、行ってみようかなと思った。

野桜さんには、うちの財閥が倒産してら生活費や学費などたくさん世話になったので、1度あって感謝したいと思ったからなんだ。


頭は結構いいほうだったので、無事合格!


・・・・・・・という経緯を経て、今春学へ向かっているのだ。



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