ツンの恩返しに、僕は108本のバラを贈るよ
「三ヶ月も家政婦……無職……」
「お前、本当に馬鹿だな。誰が無給で使うと言った。ちゃんと給料は出す」

「ほら、これ」と脇に置いたアタッシュケースからA四判の用紙を一枚取り出すと、それを私に手渡す。

「家政婦契約書?」

用紙の一番上の文字を読み上げる。
そして、黙読でザッと下まで読んだ私は唖然とする。

「こっこれ、どういう意味ですか!」
「文字通りだけど?」

副社長がシレッと答える。

「僕は出来る男だから、お前が寝ている間に作成した。よくできた内容だろう? 恩返しをしながら給料が貰えるんだ。こんな嬉しいことはないと思わないか?」

「あっあっ貴方こそ、馬鹿ですか!」

月給の文字の横に記入された数字は、百万円だった。

「ゼロが一つ余計ですし……」
「間違いじゃない」

自信満々に答える副社長。

「君には住み込みで僕の世話をして貰うんだからね。二十四時間、三ヶ月ビッタリとね」

「そんなの絶対に無理です! 第一、申した通り、私は子持ちです。瑞樹を置いてそんなことできません!」

興奮する私に向かって、副社長がトントンと指で用紙を指す。そして、ツーッと指を下げる。

「ここに書いてあるだろ? 子連れOKとね」
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