君の隣でその白いドレスを着たくて






新海さんの言葉を聞いて確信した。

あたしの予想はほぼ間違いないだろう。


新海さんは、五十嵐先輩の婚約者さん・・・。


あのたくさんの洋服を、あのドレスを、身に纏うことが出来るのはこの人なんだ・・・。


新海さんが羨ましい。


この一言に尽きた。



体育祭以来、始業式までほとんど五十嵐先輩を見かけることがなく、呼ばれることもなくて。

今までわりと会っていたからか、会うことがなくなると、
何をしているのかとか、あたしはもう先輩に呼ばれることはないのかとか、いろいろ考えてしまっている自分がいた。


前から薄々気づいてはいた。

でも先輩には好きな人がいた。

だから自分が気づいてしまわないよう、無意識にその想いにフタをしてしまっていた。

でもきっともう無理なんだ。





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