君の隣でその白いドレスを着たくて






新海さんと先輩が一緒にいるとなんだか辛くて、目を背けてしまうのも、

先輩に想われている新海さんを羨ましいと思うのも、

タキシード姿の先輩の隣で、あの先輩の作ったドレスを着て見たいと思うのも。


全部全部、あたしが五十嵐先輩を好きだからだ。


でも、新海さんのことを話す時の先輩の優しい笑顔、

新海さんと一緒にいるときの先輩の幸せそうな表情、

新海さんを想いながら服を作る先輩の真剣な眼差し。


そんな新海さんを想っている先輩も好きという気持ちも、嘘ではなかった。



だから、これでいい。このままで。

新海さんを好きな先輩を好きなままで。

あたしはずっと片想いでいい。





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