君の隣でその白いドレスを着たくて






「もう。またバカバカ言って。
あたしがほんとにバカになったらどうしてくれるんですか。」



「大丈夫だよ。
君はもう馬鹿だから。それ以上はないと思うな。」



「え。ちょっと。ひどくないですか?」



「事実だよ。」



そう言いながらクスクスと笑う先輩を背中越しに見ていると、なぜかあたしまで笑えてくる。

ふふふっ。さっきも同じようなやりとりしたなぁ。


なんだか先輩といると、素の自分でいられるような気がして、とても楽だった。



「ありがとうございました。」



先輩はあたしの家まで送ってくれた。



「どういたしまして。
これからはこんな馬鹿な怪我をしないよう、気をつけてね、お馬鹿さん。」



その一言がなければすごくいい人なのになと、毎回思う。

まあでも今回はわざわざ送ってもらったし、言い返さずおとなしくしておこう。



「・・・はい。気をつけます。それじゃあまた。」





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