LOVEMEMORY

かーば





柚木はあたしに会うたび 
かばとかばかとか言う。

性格変わったな、と 

思うけど 


こんなやつで 

いてくれたほうが…いい 





     旅行当日 




待ち合わせ時間より 

早く来たあたし 


きっと一人だと 

思っていたら 

柚木はもういた 



車にもたれかかり 

寝ていた 




「柚木〜?」



目を覚まさない 




「ばかケイゴ。」



と言ったら、起きた  



「…かば奈央…」



と言いながら、








  …―…―…―…―




「はい」


あたしは柚木に 

ココアをあげた 



「あ、うん。ありがと」



あたしたちは 

まだ来ない 

先輩を待っていた 




「あ〜。甘い。かば奈央のせいだ」

「え?苦いじゃんこれ」

「うるさい。黙れ。ちび」
「あんたこそ…」



そう言った瞬間 

口をふさがれた 






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