LOVEMEMORY





「…ケイゴって…呼んでくれよ、…亜希」



亜希…

亜希になる…




「…ケイゴ…」

「…さっき、何か言い掛けたのは奈央じゃなくて亜希だった」

「…あたしは…奈央だよ…ケイゴ」




あたしが部屋から 

出ようとすると 


ケイゴに手を 

つかまれた 




「…逃げるのかよ」

「…あたしは…亜希じゃないのっ…」

「…心は亜希なんだろ」



と言い、 

あたしを抱き締めた 




「二年…俳優やめてから…ずっと探してた…」




もう、戻れない。

奈央なのに 

心は亜希だ…




「…おれら…どうなるんだろうな…」



そしてケイゴは 

さっきと同じく 

あたしにキスを…






< 91 / 109 >

この作品をシェア

pagetop