俺様外科医の極甘プロポーズ

「ありがとう、りさ。俺はすこしでも早く、結果を出せるように頑張るよ」

「応援しています。でも、あまり無理はしないでくださいね」

 私は自分のことよりも、先生の方が心配だ。

「ああもちろんさ。ねえ、りさ」

「はい?」

「明後日休みだろ。どこかへ行かないか」

「本当ですか? うれしい」

 喜んで振り返ると、優しい笑顔の先生の顔があった。

「どこへ行きたい?」

「そうですね。最近特に寒いし、温泉とかどうですか?」

 季節の移り変わりは早い。秋めいてきたかと思えば、もう冬の訪れを感じる。今年は寒気が日本全体を覆っているとかで、十二月の初旬だというのにもう雪が降った。

「いいね。でもどうせなら泊まりたいな。前の日の夜から行こうか?」

「予約取れますかね?」

 クリスマスシーズンの週末に、空いている温泉旅館なんてあるのだろうか。

「俺に任せておけ問題ない!」

 先生がそう言うとなんでも大丈夫な感じがしてしまうから怖い。私は温泉旅行を楽しみに仕事を乗り切ることにした。

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