高校生夫婦はじめました。

対して私の家は、私が物心ついた頃から母子家庭だった。お父さんの記憶は一切ないし、そもそも生きているのかもわからない。お母さんに尋ねたこともない。

深く考えたことすらなかった。充分満たされていたから。私は商社でバリバリ働く格好いいお母さんに育てられた。いっぱいの愛情を受けて、格好いいお母さんに憧れながら、二人で生きてきた。

中学生の私の頭を撫でながら、お母さんは申し訳なさそうにこう言った。

『晩御飯は正臣くんちでご一緒させてもらおっか』

その頃お母さんは仕事で帰りが遅く、日付が変わるくらいに帰宅することがほとんどで。私と一緒に夕食を摂ることができないのをひどく気にしているようだった。

『毎日一人で食べるんじゃ寂しいでしょ? ごめんね』

そんなことないよ、と私は笑った。

お母さんが遅くまで頑張っていることを思えば、“寂しい”とかはそんなに。だけど、私が一人でご飯を食べていることでお母さんが胸を痛めるのなら、それは取り除きたい。



そして私は、中学生の頃から正臣の家で晩御飯を食べるのが習慣になった。
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