最弱救世主とドS騎士

「リナ様なら、わかりますか?」
遠慮がちに
でも期待を込めてシルフィンが私に聞く。

みんなの目が私に集中する。

二人のリアムの切なそうな表情が見ていて苦しい。
境界線の砂時計はサラサラと無情に落ちてゆく。

「リアムとふたりで話をしたい」
私はそう言って
ためらいながら境界線を越えた。

アレックスが私の手を引っ張ったけど、私は丁寧にその手を払いリアム達の前に立ち考える。

さて
どうしよう。時間も少ない。

「ひとりずつ話をしたい」
私がそう言うと右のリアムは「それは危険だ」とすかさず言い、左のリアムは「リナが言うならそうしよう」と言ってくれた。

どうやら完璧なシンクロではないらしい。
両方リアムが言いそうだけど
少しズレがありそうだ。

魔王は自意識過剰で自分にミスはないと思っているけど、絶対必ずどこかでミスをする……と、信じるしかない。

リアムと出会って
愛しあってからまだ時間が短い
彼の事を全てわかっているわけではない

でも
私も自分を信じなければ
どうにもならない。

流れる砂時計を気にしながら
私は剣を持ち
まずは右のリアムと目を合わせ、一緒に部屋の隅に移動して壁を背にして座り込んだ。

『ひとりずつお話をさせて下さい』
テレビでやってる素人参加のお見合い番組みたいだな。

< 169 / 236 >

この作品をシェア

pagetop