最弱救世主とドS騎士

昼も食べず
4時まで余計な事を考えたくなくて、仕事に集中。
一気にやりすぎて、月末の仕事にまで手を出してしまった。
まぁ……いい事だ。

そして壁の時計は3時50分。
総務でも部長、課長クラスがソワソワと動き出し重役フロアに移動していた。副社長であるアレックスのお出迎えなのだろう。一般社員ですが私も行かせて下さい。もちろんコソコソとね。

「ちょっと資料室に行ってきます」
隣の席の先輩にそう言って席を外して、私も4時近くに重役フロアに紛れ込む。

廊下に人がざわめいている
あちこちの部の課長クラス以上が集まり、副社長をお出迎えするのだろう。
きっともう
このフロアのどこかにアレックスはいる。
そして会議室に移動して
みんなと顔合わせをするはず。

社長も一緒だと思うから
ここで無茶な行動はできない。
本当はアレックスの首を押さえて蹴りを入れたい気分だけれど、即クビになるかもしれないから、今は目を合わせてアレックスの顔をじっくり見て、アレックスの焦り驚く顔をしっかりこの目でみてやろう。

そして
重役たちが解散して
ひとりになったところを捕まえる!
絶対捕まえてやる!へタレ王!

背の高い観葉植物の後ろで怒りのオーラを出してたら、うちの課長に見つかってしまった。

「宮本さん?」

しまった!
怒りのオーラが目立ちすぎたかな。

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