そして、失恋をする
「年齢は、いくつなの?」

「十七歳」

千夏は、短く自分の年齢を答えた。

「陸君は?」

「僕も、十七歳」

「そうか、一緒だね」

笑ってそう言った千夏の表情が、僕には悲しそうにしか見えない。

「自分でも、信じられなかった。こんな年で、死の宣告を受けるなんて………」

悲しく笑っていう千夏を見ると、どう声をかけたらいいかわからなくなる。

ーーーーーー彼女は、まだ十七歳じゃないか。まだまだ楽しいことだってこれからだし、ほんとうはもっともっと生きたいと思う。どうして、十七歳の千夏が死の宣告をされないといけないんだ。

彼女を助けてあげられない自分の無力さを痛感して、僕は歯がゆかった。
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