飴と傘
 我が家の冷蔵庫に飴が増殖しているのは、私が優柔不断だから。

 響と私は秋に挙式することになっていて、引き菓子を飴に決めた。そこまでは良かったのだが、世の中には魅力的な飴が沢山あり、どれにするか決めかねた私は、買っては試しを繰り返している。

 京都の小さな手毬のような飴から、リップグロス型の容器に入ったもの(開発したのが老舗だというのが高ポイント)、六種類のお酒が入ったカラフルなボンボン、虫歯予防のポップなロリポップ、ガラスの中に花を閉じ込めたように見える繊細で美しいものまで、かなりの種類を試してきた。



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