ラッキーナンバー
「もー、なに?ケンカはだめよぉ?」
そう言って芹来さんは、私と志築くんの顔を交互に見る。
「ねぇ、和音ちゃん、もしかして私のことも嫌いー?」
シュン、と眉を下げて寂しそうに芹来さんが言う。
その表情は、女の私でもキュンとしてしまう
「いえ、そんなことは…」
私がそう言うと、芹来さんの表情が一気にパアッと明るくなった。
「ならいーじゃなーい!!!ねっ?ねっ?」
「え、あの…っ」
「来んなよ、絶対」
芹来さんに両手をガッシリと捕まれ、流されそうになっている私に、冷たく志築くんが言う。
「俺もお前のこと好きじゃねーし」
好きじゃないなんて…
そんなの、わかってるよ…