ラッキーナンバー
 


たった2文字の1番伝えたい言葉が、出てこない。



「私の心臓がうるさいのも、全部全部志築くんのせいなの!」



ねぇ、気付いてよ



「志築くんは…っ
志築くんが、私の1番なの!」



そう言った瞬間、グッと志築くんの腕に引き寄せられる

痛いくらいに抱きしめられて

あまりに突然なことにびっくりして、私の手は行き場を無くす。

身体の右側までドキドキ言ってるのは、きっと、志築くんのせい。


志築くんはそっと私の耳元に口を寄せると、かすれた声で言った。



「バカ……って…
お前だけには、言われたくねーよ」



そう言って志築くんは少し体を離して、でも私をしっかりと包んだまま、私の顔を見る。



「はっ、ぶっさいく!」



きっと涙でボロボロな私の顔を見て、志築くんが笑った。



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