ラッキーナンバー

思い出のかんざし

 


目の前の先輩はにこーっと笑って言う



「あんな奴と別れてさ、俺と付き合ってよ」



"あんな奴"…?

って、もしかしてくるめくんのこと!?



「いやっ、まだ付き合ってないですし!無理なんで!!」

「まだ?ならいーじゃん」



全然よくないし!!!

だいたい私この人のことなんも知らないし

それはきっとこの人も同じはず



「ね!」



ね、って言われましても!

それから何度断っても、先輩が手を放してくれる気配はなくて…

でもくるめくん待たせてるし…とりあえず…逃げよう!!



「あっ!あそこにUFOがっ!!」



大声で叫び、空を指差す。

先輩は一度も空を見ることはなく、白い目で私を見て言った。



「そんな古典的なダマシに今時ひっかかる奴いると思ってんの?」



途端に恥ずかしくなった。



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