ラッキーナンバー
 


「放さないよ」



そう言って先輩がニッコリ不気味に笑うから

ゾワッと鳥肌が立つ



「…あいつがくるまではね」

「あいつ…?」



首を傾げると

急に先輩につかまれていた腕が、ぐいっと後ろから別の手につかまれた。

反射的に先輩の手は放れて、代わりに私の腕をつかんでいる人の顔を見ようとして上を見るとそこには…



「趣味悪ぃな、こんな中途半端なブスに興味あるなんてよ」



なんと志築くんが立っていた。



「なっななな
なんであんたがここに…!」



予想外の人物の登場に、驚いて目を見開く。

だけど先輩は大してビックリした様子も見せずに、フンと鼻を鳴らして言った。



「やっぱりこの女と一緒に来てたか、志築聖斗」



やっぱり…って?


まさか…

さっきから言ってる"あんな奴"とか"あいつ"って…

もしかして志築くんのことだったの!?



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