雨の後は、きっと虹がかかる


……ああ、私、もうすぐ死ぬのかもしれない。


……いや。死ぬんだ。


もう周りの声は聞こえない。


声だって出せない。


体もろくに動かせない。


上村さんの手の感触も分からない。


何も分からない。


さっき、クラス全員の前で死ぬ事なんて考えないで生きるみたいな宣言をしたのに、早速死んじゃうなんてそれこそみっともないな……。


……ああ、もう本当にだめだ。


変に体が軽い。


ふわふわする。


今にも天国へ飛んでいけそうなほどだ。


何だか目の前に、真っ白い穏やかな世界が広がっている。


……ここ、どこだっけ?


だから、気付かなかった。


私をまだここに繋ぎ止めようとしてくれている人の声に。





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