無愛想な仮面の下
7.知りたくない
「あの企画、形にしてみろって話が出てる。」

 連れて来られたのはお洒落なカフェ。
 ボリュームたっぷりのサンドウィッチが売りのようでメニューにあったおススメサンドを注文した。

 もっと牛丼屋さんとか定食屋さんとかのイメージがあったから意外だった。
 佐久間さんは意外だらけだ。
 こういうのが上辺しか見ないって事なのかな。

 カウンターに並んで座る佐久間さんとの距離感は心地いい距離だった。

「おい。聞いてるか。」

 サンドウィッチ片手に突っ込まれて我に返った。
 佐久間さんが注文したのがアボカドとサーモンの…ってこれまた似合わなくて…っといけない、なんだっけ。

「あ、はい。企画ですよね?
 企画…企画ですか!?」

 呆れた顔を向けられて視線が痛い。
 注文が可愛らしいって思ってたのバレたかな。違うか。

「構想はいい。
 ただ実現できるのかって話になった。」

 あの佐久間さんと考えた企画だ。

 絡んだアイス。
 それを何人かで食べ合うのはどうかって。

 絡んだアイスがくっついてしまったら意味のない企画。
 上手く外して食べれるか、それが鍵だ。

 絡んだアイスを一緒に食べませんかと誘うことが出会いのキッカケにならないかというその辺りまでを含めての企画。

「すごいです!
 そこまで注目されてるなんて。」

 はしゃいで喜んでいると目を細めて見つめられて思わず目をそらした。

 またその目。
 勘違いしそうになる。

 優しく愛おしいものを見つめるようなそんな温かさを……。

「俺が乗せたんだ。
 実現させてみせるさ。」

「ありがとうございます!」

 仙人と言われる佐久間さんに言われて心強い。
 ライバルなんて勝手に思って恐れ多い人だったんだって接してみて改めて思う。

 仕事、噂通り出来る人なんだろうなぁ。

 ぼんやりしていると佐久間さんの携帯が騒がしくなった。

「悪い。呼び出しだ。」

「休憩中なのに大変ですね。
 私、せっかくなんでここで食べて行きます。」

 テイクアウト用の入れ物なんかを用意してもらって佐久間さんは風のように去って行った。
 気怠げなのに素早いってなんだかおかしくて1人で笑ってしまった。








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