朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「どうせお前、講師だけじゃなくて、ここの非常勤講師、なったんだろ。そんときにでも話す」
「ちょっと待て! 気になり過ぎる!」
「悪いな。待たせてんだ」
「あ――、ああ、そうか」
基本的に人の言い宮寺が反射的に肯くと、その間に教室を飛び出し――かけて、振り向いた。
「この一年はまだここにいるつもりだから、もう逃げる先もなし、いつでも喧嘩売って来いよ」
そう残して出て行った。
出る間際、宮寺が呟いているのが聞こえた。
「……華取さんすげーな。……あいつも人間だったのか」