君が振り向くその日まで。
3章-保健室Part1-
私は、楓に水をかけられ濡れている影宮をつれ保健室に向かった。

「ねー…影宮さ、もうちょっと反応とかしたらどーなの?」

「……」

「だからさー…」

「あーもう、うるさい」

「えっ…?」

影宮が私の声をさえぎるようにして言った。

「いーから早く保健室行こ。寒いんですけど」

「はぁ…」

私は影宮に腕をつかまれ保健室へ入った。

ガチャッ

「えっ…なんで…」

確実にさっきの音は鍵を閉める音だった。
影宮は保健室のタオルでかおを拭き始めた。

「あんたさ…ちょっと黙ってくんない」

「はぁ?!なんでそんなこと言われなきゃいけないの?!」

メガネを取って前髪を上げた影宮の顔を私はどこかで見たことがあった。

あれ…?

「えっ…?」

この顔って…。

「斎藤…影…?」

「あー、バレるよな。そうだよ、俺は斎藤 影だよ」

「えっ…なんで…」

「なんでって、俺が影だってバレないようにするにはこれしかないだろ」

影宮は笑いながら言った。

「そういえばさ、あんたの友達…あのお嬢様みたいなの俺のこと好きだろ?あー影のほうな」

「あー…うん」

「まぁ、クラスの奴とか学校の人たちにはバレたくないわけだよ」

「なんで?別にバレたって良くない?」

「あんたには分かんないか。俺はキャーキャー言われるの好きじゃないんだよ」

「だからって今のキャラにするのはどうかと…」

「別に俺がどうしようと俺のかってだろ」

「まぁ…そうなんだけどさ」

「それより、お前の名前教えろ」

「えっ…?あーっと…一ノ瀬 陽」

「んじゃ、陽。俺が影だってことは黙っとけよ」

そう言うと影さん…いや、影宮はベッドで寝てしまった。
琳那にだけはバレないようにしないとな。
これから、めんどくさいことになりそうだな…。
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