処刑バッヂ
「梨央!!」


大きな声で梨央を呼ぶと、走っていた梨央と視線がぶつかった。


「こっち!」


梨央が追いかけて来る晴康へ一瞬目をやり、それからこちらへ方向転換した。


「くそっ」


涼希がすぐにドアを閉められるようにホウキを握りしめた。


晴康の手が伸びて梨央の腕を掴もうとしている。


「早く!!」


晴康の手が梨央の制服に触れた、次の瞬間。


あたしは梨央の腕を掴んで倉庫内へと引き込んでいた。


涼希がドアを閉め、ホウキをつっかえ棒にする。
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