処刑バッヂ
梨央はその場に膝をつき、体で呼吸を繰り返している。


ドアの外からは晴康が怒号を上げ、ガンガンとドアを叩く音が響き渡っている。


「無茶なことをするな!」


「……ごめん」


あたしはうなだれて涼希に謝った。


だけど、残っているのはもうあたしたち3人だけなんだ。


梨央までいなくなってしまったら、あたしはどうすればいいかわからない。


「ありがとう……若菜……」


座り込んだまま梨央がガタガタと体を震わせてそう言った。


「大丈夫だよ。よく逃げて来られたね」
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