処刑バッヂ
「まさか……あの木に飾るとか……?」


梨央の質問に、やっぱりあたしはなにも答えられなかった。


その可能性がとても高いことなんて、言えるわけがない。


沈黙している中、再びアラーム音が鳴り響きはじめた。


咄嗟に梨央のバッヂを強く握りしめて音を消す。


「ずっとここにいたら捕まる。そろそろ移動しよう」


アラームが鳴り止んだタイミングで、涼希がそう言ったのだった。
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