処刑バッヂ
☆☆☆

3人で移動してきた先は保健室だった。


倉庫のときと同じように、ホウキをつっかえ棒代わりにして鍵をかけ、カーテンを閉める。


「ここならベッドがあるから、少し休憩できるよ」


あたしはホッとしてそう言った。


ベッドの上に横になると今までの疲れが一気に押し寄せて来る。


眠る事はできないけれど、こうして体を休めているだけで気分は違う。


「梨央、バッヂを出してみろ」


涼希が戸棚から包帯を取り出し、梨央のバッヂに巻き付け始めた。


これで音が響くことはなくなるはずだ。


カーテンが開け放たれたベッドからその様子を見つめる。


梨央はずっと震えていて今にも倒れ込んでしまいそうだ。
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