処刑バッヂ
ここに移動してきてからしばらくは時間が経過している。


そう思ってスマホで時間を確認しようとした、その時だった。


途端に大きなアラーム音が鳴り響き、あたしは自分の耳を塞いでいた。


今までにない大音量で処刑バッヂが鳴っている。


「バッヂを握りしめろ!」


涼希の声に我に返り、あたしはバッヂを手の中できつく握りしめた。


しかし、それでも音は漏れ出ている。


「音量まで変化したなんて書いてなかった!」


梨央が叫ぶ。


このままじゃ相手に見つかってしまう!


アラーム音も、さっきよりも長くなっているのがわかった。


「くそっ! 逃げるぞ!」


ようやくアラーム音が鳴り止んだ時、遠くから足音が聞こえてくることに気が付き、涼希がそう言って立ち上がった。
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