処刑バッヂ
「うん。梨央はいつも若菜と一緒にいたけど、それは若菜の隣に涼希がいるからだなって、思ってた」


「……そうなんだ……」


「梨央がやったことは最低だけど、梨央もずっと我慢してたんだと思うよ?」


その言葉には返事ができなかった。


梨央はずっと涼希のことが好きだったのだろう。


だけど、それをずっと隠されていたことが悲しかった。


梨央の気持ちは大きく膨らみ、こんな形で表れてしまったのだから。


黙り込んでいると、ツクシがあたしの肩を叩いて来た。


「ボーっとしてる暇はないよ? 次にアラームが鳴るまであと何分?」


そう言われてハッと我に返った。


そうだ。


今ショックを受けている場合ではない。
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