処刑バッヂ
「これから俺たちをこの道具を使って殺して行くってことか」


晴康が怒気を含んだ声で言う。


「もしそのつもりなら、俺たちをここへ呼んだりしないだろ」


涼希は物騒な道具に顔をしかめながらもそう言った。


「じゃあなんの目的でこんなものがここにあるんだよ」


晴康が涼希を睨んで言う。


また喧嘩がはじまってしまいそうな雰囲気だ。


仲裁しようと一歩前へ踏み出た時、再びスマホが鳴り響いた。


体育館の中だから、いつにもまして耳障りな音だ。


「また犯人からだ……」


青ざめた顔で太一が呟く。


今度はどんな指示が書かれているのか。


想像するだけで怖くて、スマホを操作する手が震えてしまう。
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