ヴァーチャル・リアリティ
だけど、すべては遅すぎたのだ。


時計の針がもうすぐタイムリミットを告げる。


あたしは陽大へ刃を突き付けたまま、キツク目を閉じた。


これはVRなのか、現実なのか、映像なのか、本物なのか。


もうなにもかもわからない状態だった。


「いくぞ」


晴道が小さく囁いて、あたしは棒を握る手に力を込めたのだった……。
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