ヴァーチャル・リアリティ
「あたしたちを……どうするつもり?」


アユが言った。


あたしはゴクリと唾を飲みこんで晴道を見つめた。


「安心してよ。これからは本当に楽しいゲームの時間だから」


「え?」


あたしは思わず口を開ける。


「今までのはほんの序盤。傷つけたのも、殺したのも俺の事を知ってもらうためだから」


「なに言ってんだよ!」


悠太郎が叫ぶ。


「これくらい傷ついたんだって、わかっただろ? これで俺たちはやっと本当の友達になれる」


「晴道、本気で言ってるの?」


アユが焦り声を上げる。


これから先もまだゲームが続いていくなんて、考えられなかった。
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