ヴァーチャル・リアリティ
ヴァーチャルリアリティ2
それは良く晴れた夏休みだった。


「ここがそう……?」


あたしの横に立っている矢野百花(ヤノ モモカ)が不安げな声を漏らした。


「きっとそうだよね」


うっそうと茂る草の中に立っている長方形の建物を見上げてあたしはそう返事をした。


都心から離れた孤島には大きな建物があり、その中に入ったものは二度と出てくることができないらしい。


そんな噂を聞いたのは1年くらい前の事だった。


高校に入学してすぐだったあたしは、中学時代からの友人である百花と2人でその噂を聞き、興味を持っていた。


いつか時間ができたら一緒に行こうね。
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