ヴァーチャル・リアリティ
百花の声がパッと明るくなる。


「あたしも血まみれ系は苦手だからやめようかな」


そう言い、ゴーグルに手を伸ばす。


力を込めて外そうとしたその瞬間、こめかみに痛みが走った。


その痛みは血液に乗って体中に回って行く。


「痛い!!」


百花が悲鳴を上げ、繋がられていた手が離された。


「百花!?」


慌てて手を伸ばすと、下の方に百花の背中を感じる事ができた。


どうやらうずくまっているようだ。
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