ヴァーチャル・リアリティ
これにはどういう意図があるんだろう?


そう考えて眺めていると、原稿用紙の隅に書かれている文章が読めることに気が付いた。


枠の外に小さく書かれた文字。


「なぞなぞ……?」


あたしは小さな声で呟いた。


「本当。なぞなぞになってる」


そう言ったのは梨花子だった。


小さな声でも拾われていたようだ。


「これが今回の答えになるってことか?」


晴道の声。


「ちょっと待て。先に鍵を確認しよう」


冷静にそう言ったのは陽大だった。


そう言えば今回はまだ鍵を確認していない。
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