ヴァーチャル・リアリティ
「コンロに触った瞬間、女の人の映像が流れたの」


女の人!


あたしはゴクリと唾を飲みこんで、梨花子の次の言葉を待った。


「女の人はあたしのことを睨んでた。すごく怖い顔で、目が吊り上がってて……」


あたしの時と同じだ。


「それで、コンロでは油が沸騰してて……」


そこまで言って口を閉じた。


言うのを躊躇しているような雰囲気が伝わって来る。


「なにか、された?」


あたしがそう聞くと「その油をオタマで救って、こっちに浴びせて来た」と、梨花子は答えた。


その言葉に全身が冷たく凍り付く。


「あたしも、女の人に攻撃されようになった」


「うん。それで、コンロから手を離したら映像が消えたの」


それも、同じだ。
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