ヴァーチャル・リアリティ
ヒントを探していたはずなのに、ますますわからなくなってくる。


今の映像で理解できる人なんて、きっといない。


しばらく沈黙が続いた時、誰かが息を吸い込む音が聞こえて来た。


「あのさ、俺の考えを言ってもいいか?」


そう言ったのは晴道だった。


今、一番冷静そうなのはあ晴道1人だ。


あたしは言葉に耳を傾けた。


「裏切者は陽大だと思う」


静かに、しかしハッキリとした口調でそう言う晴道。


「俺? なんでだよ!?」


陽大の声が少し荒んでいる。


でも、あたしの中では晴道の意見に納得している部分があって、泣きそうになってしまった。
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