ヴァーチャル・リアリティ
「あの子供部屋、どこかで見たことがあると思ったんだ。幼い頃、1度だけ入った事のある部屋……陽大の部屋だ」


晴道が言う。


「あんな部屋いくらでもあるだろ!」


陽大の声が焦りを帯びる。


「あたしも1つ気になってたことがある」


あたしは大きく息を吸い込んでそう言った。


陽大を追い詰めるつもりはない。


ただ、事実を確認しておきたかった。


「部屋を出た空間で流れる音楽……あれって陽大が好きな曲だよね」


そう言う声が震えてしまった。


陽大のことを想う気持ちに、心が揺らぐ。


「それもただの偶然だろ! あの曲は有名だからみんな知ってるし!」


「そうだけど、でも……!」
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