【完】キミスター♡
からから

「あら?佐々木さん?」

「っ…先生。すみません。誰もいないのに入っちゃって」

控えめな扉を開く音と共に、保健医の石川先生がやってきた。
私はゴシゴシと涙を拭って、下向き加減でそう言った。 

「サボり、じゃなさそうね?顔色悪いもの。熱測ってベッドに寝てて。担任の先生には伝えとくから」

「はい、すみません」

そう言うと、先生は体温計を手渡してからすぐに出て行ってしまう。

私はその体温計で熱を測ってから、ごそごそとベッドに入り込んで、そのままドロのように眠り込んだ。

せめて、夢の中では…笑っていられますように、と願いながら。
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