家族でも、幼なじみでもなくて。
次の日は午後から授業参観だった。


「優衣ちゃんのお母さんは来るの?」

「来るよ!」


その日の授業は国語で作文の発表。

お母さんの前で発表するのは少し恥ずかしいけど、頑張ろう。
お家に帰ったら褒めてくれるかな。


「では、次。奥山優衣さん」


チラッと後ろを見たけど、お母さんの姿はなかった。
遅れてるだけだよね。後から来るはず。


「将来の夢。5年1組 奥山優衣。私の将来の夢は、看護師になることです…」


何人か教室に入って来たけど、お母さんじゃない!


終わっちゃうよ。早く来て……!


「……勉強をがんばって、りっぱな看護師になりたいです」

「素晴らしい作文でしたね。では、佐々木 翼くん。お願いします」

「僕の夢。佐々木翼。僕の夢は…」


結局お母さんは来てくれなかった。

どうして? 約束したのに……
< 22 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop