課長の溺愛に付いていけません
なんだか、私一人だけ誤解してしまうのは、可笑しな気がして。

早くこのドキドキが止まればいいなぁって、思ってしまった。

ああ、それにしても課長の上着、いい匂いがする。

私は課長の上着を、鼻に当て、思いっきり息を吸い込んだ。


「森、缶コーヒー買って来たぞ。」

「あっ!」

そのシーンを見られて、二人共口を開けて、固まってしまった。

「すみません!」

私は急いで部長の上着を脱いで、目の前に差し出した。

「いや、別に。気にしてないけれど?」

ばっちり気にしている課長に、どうしても特別感が拭えない。


でもその後は、最悪だった。

「げっ、まだ仕事片付かないのかよ。」

「すみませーん!」
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