課長の溺愛に付いていけません
「なあ、姫。」

同僚の橋本君は、そんな私を”姫”と呼ぶ。

「昼飯、どこか食べに行こう、姫。」

「止めてよ、その姫って言うの。」

「えっ?」

橋本君は、目をぱちくりさせている。

「だって、名前姫花だろ?”姫”でいいじゃん。」

「私は嫌なの。名字で呼んで。」

「そんな可愛げのない。」

私の頭にカチンと来た。

ゆっくりと、橋本君を睨みつける。

「な、なんだよ。」

「悪かったわね、可愛げがなくて。」


そんな言葉、小さい頃からずっと聞かされてきた。

嫌って言う程に。

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